文系でも分かる!世界の仕組みを物理学で知る

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個人的に好きなトピック11選

本当に、物理学で株価は予測できるのか

これは海外の投資会社が株価を予測して結果を出しているという話で、「熱力学・エントロピー・統計力学・量子力学」が利用されているのではないか、という筆者の見解が述べられている。

ただ、僕が注目したのは上記の考察ではなく「エントロピーの説明の分かりやすさ」だ。

エントロピーは「乱雑さ」を意味する言葉で大学の講義でもよく出てくるのだが、如何せん理解しにくい。

それを筆者は以下のように説明している。

温かいお湯と冷たい水を混ぜると、ぬるま湯になる。でも、すでにぬるま湯になったものを温かいお湯と冷たい水に分けることはできないし、もともとどのくらいの温度のお湯と水だったのかという情報も失われる。こうしたどのくらいランダムか、情報がないかということを、物理学では「エントロピー」と呼ぶ。

一度エントロピーを学習したことがある者なら、この説明がいかに分かりやすいかを感じてもらえただろう。

この本にはこのような洗練された文章が随所に隠れている。

世の中は電波で溢れている ー メールはどうして届くのか

メールは「ユーザー毎に周波数を定め、その周波数の電波のみを拾う」ことで成り立っている。

※ただユーザーが増えれば周波数の割り当ても難しくなるので、複数のユーザーで同じ周波数帯を使い、その代わりに拡散符号という専用コードを割り当てている。

この仕組み自体はなんとなく知っていたのだが、この本では「障害物があっても電波が届く理由」や「電波が通りにくいもの」なども分かりやすく解説してくれているのだ。

※「障害物があっても電波が届く理由」は、波に回折(障害物にぶつかったら回り込む)という性質があるからである。波長が長ければ回り込みやすく、スマホの電波の波長は0.1〜1[m]なのである程度の物なら回り込める。

※「電波が通りにくいもの」は、アルミなどの金属である。一方、紙や木やガラスなど、電気を通しにくいものには電波が通りやすい。

世の中に働く4つの力とは

4つの力とは「重力」「電磁気力」「強い力」「弱い力」なのだが、詳しくは実際に本を読んで理解してほしい。

ただ、僕が注目したのはこの4つの力ではなく「身の回りの現象をミクロな電磁気力で説明している」ことである。

例えば、机を手のひらで押せば作用・反作用の法則で、押した分の力を手のひらに受ける。

これは物理を学習した方であれば当然のようにスルーしていたが、そもそも作用・反作用の法則はどのように成り立っているのだろうか。

筆者は以下のように説明している。

机も手のひらもどんどん分解していけば原子でできていて、その原子のまわりにはマイナスの電荷を持った電子が存在する。そのマイナスとマイナスが反発し合う力が、手のひらで感じる力なのだ。

確かに!と唸ってしまうほど、めちゃめちゃ分かりやすい。

原子の概念を習った時に、学校の先生がこの説明をしていたらどれほどの生徒が原子に興味を持ってくれただろうか。。

理論はどうやって認められるのか

理論は世界中の研修者が合意すれば認められる」のであって、誰か権威のある科学者によって決められているのではない。

僕たちは教科書に載っていることを盲目的に正しいと信じているが、それがどのような経緯で正しいとされたかは知らなかった。

この本では「理論が認められるまでの流れ」「昔と今の比較」なども丁寧に解説されている。

※余談だが、このチャプターで出てくる「超ひも理論」についても中々面白いことが書かれている。超ひも理論では原子や電子なども全て「ひも」で出来ているという考え方である。この理論が正しいことが示されると前述した4つの力を統一できる可能性があるのだ。ただ、それを証明する実験方法が見つからないため、有力仮説のまま止まっている。。

空はなぜ青いのか、夕焼けはなぜ赤いのか

空が青く夕焼けが赤い理由は、「赤色と青色では波長の長さが異なり、昼間は青い光が散乱し、夕方は赤い光が散乱している」からである。

※本書ではもっとわかりやすく説明されている。

具体的には、波長が長い光ほどまっすぐ進み、波長が短い光ほど様々な原子や分子にぶつかって散乱するという原理に基づく。

昼間は太陽が真上にある(観測者と太陽の距離が近い)ため波長の短い「青色の光」が散乱して見えるが、夕方は太陽が観測者と離れた位置にあるため波長の長い「赤色の光」が散乱して見えるのだ。

引用:ひがし研究所

火傷は分子の運動の仕業?

火傷は「温度の高いものに触れると、そのエネルギーにより分子の運動が激しくなり、それに耐えられなくなった細胞が壊れてしまう」という原理で成り立っている。

これを読んだとき、確かに!と唸ってしまった(2回目

前述した作用・反作用の法則と同様、ここでも原子レベルまで掘り下げて明快に説明している。スゴイ!!

※「凍傷」の場合は、身体の温度が下がりタンパク質が自由に運動出来ない温度になることで、細胞が破壊され組織が壊れてしまう。

クォークとクォーク、陽子と中性子はどうやってくっついているのか

クォークとは、陽子や中性子を構成する粒(素粒子)のことである。

※学校では原子が物質を構成する最小単位だと習ったが、これは昔の考え方で、今ではその原子を構成するのは「素粒子」と「電子」であるとされている。

このクォークとクォーク、陽子と中性子を結び付けているのが「強い力」(前述した4つの力の1つ)なのだ。

しかし僕が注目したところはそこではなく、「電磁気力でプラスとマイナスが引き合うのは光の粒(光子)が行き来して力を及ぼすからである」という箇所である。

今やプラスとマイナスが引き合うのは周知の事実となっているが、これが光による力だと認識している人は少ないのではないだろうか。

光をたくさん浴びても日焼けしないのに、紫外線で日焼けするのはなぜ?

光を浴びても日焼けしないのに紫外線で日焼けする理由は、「紫外線は波長が短いのでエネルギーが高く、浴びたときに体を突き抜けて入ってきてしまうので、体内に影響を及ぼすから」である。

日焼けが起こるかどうかは浴びた光の総量ではなく、粒1つあたりのエネルギーの大きさによって決まるのだ。

つまり、部屋の光をいくら大量に浴びても日焼けすることはない。

なので市販の日焼け止めは紫外線の侵入を防ぐものであり、光そのものの侵入を抑制するものではない。

これはかなり実践的な知識ではないだろうか。

これを読んだ君は、友達や恋人とビーチに行ったときにドヤ顔でこの話をしてみてほしい。

※おそらく嫌われる。

太陽光発電はどうやって太陽の光を電気に変えているのか

太陽光発電は「太陽光パネルの中の2つの半導体間で、光電効果により飛び出した電子が動きエネルギーが生まれている」という仕組みを使って電気を生み出している。

これを知ったとき、マザインゴ体操!?(訳:まじ?)と思わず声を上げてしまった。

そもそも太陽光パネルが2つの半導体で構成されていることを知らなかったし、そこに光電効果(光を当てると電子が飛び出す現象)が利用されていることも初耳学だった。

※本書ではイラスト付きで示されており、もっとわかりやすい。

「原子核のまわりを電子が回っている」は間違い!?

原子核のまわりにボヤーっと電子雲が広がっている」というのが現代科学の常識である。

私たちが普段イメージしている、原子核のまわりを電子が回っている、というのは量子論が提唱される前の話なのだ。

引用:宇宙のこっくり亭

量子コンピュータが登場すれば、仮想通貨は使えなくなる?

量子コンピュータが実現すれば今のコンピュータの暗号はほとんど解読されてしまうが、量子暗号という技術が実現すれば量子コンピュータでもセキュリティーを破りにくい

仮想通貨などでも利用される現在のセキュリティ技術は、大きな桁の数字を素因数分解することで成り立っている。

1万桁の数を素因数分解するには、スーパーコンピュータ(現在の最強PC)を使っても1000億年以上かかると言われているが、量子コンピュータを使えば数時間程度で計算できてしまうというのだ。

ほとんどの暗号が解読できるということは、簡単に国家機密まで持ち出せてしまうわけですね。

量子コンピュータを先に実現すると、他国の核兵器設計書・国家計画などもハックできることになるので、本当に恐ろしいですね。。

※量子コンピュータは通常のコンピュータと異なり、全ての情報を「0」「1」で扱うだけでなく、「0でもあり1でもある」という特殊な状況を扱うことができる。これにより従来のコンピュータでは不可能と言われている「並列処理」が可能になるのだ。

おわりに

タイトルに文系向けとありますが、説明が”異常に”わかりやすいので理系でも十分楽しめます。

特徴はなんといっても「豊富なイラスト」と「シンプルな説明」

本来理系の内容は素人向けに話すのは難易度が高いのですが、松原さんはそれをサクッと説明いたので感心しました。

今回はほんの”一部”を掻い摘んだだけなので、実際に本書を手に取り感動してみてください!ではまたッ👋

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