デモの極意【SFDC長期インターン】

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デモの基本概念

私は普段、お仕事でBIツールのデモを行う機会があります。

デモとは5〜15分程度で「この製品のバリュー(価値)は何か」を相手にプレゼンするものを指します。

今回は私が実務を通して学んだことを紹介し、これから営業やSEを志望する方の参考になれればと思います。

前提条件

まず、デモの大前提となるのは「製品を全く知らない人に伝える」という考え方です。

知識が豊富な人ほど細かな機能を説明しすぎたり、難易度の高い表現を見せようと張り切ってしまいます。

しかし、情報量が多すぎると「結局この製品って何が強みなんだっけ?」「この製品難しそうだな..」と相手を困惑させることになります。

「じゃあ情報量を絞って特徴を端的にまとめればいいの?」

とツッコミたくなりますが、それだと製品の公式HPをみた方が早いので、わざわざデモを行う必要がありません。

では相手が気持ちよく聞いてくれた上で、製品の魅力を最大限伝えるにはどうしたら良いのでしょうか。

答えは「ストーリーで価値を語る」ことです。

①デモでは「相手は製品について全く知らない」という前提で話す
②細かな機能ではなく「ストーリー」で価値を語る

デモの「NG例」

ここで、全国展開している小売店を例に考えてみます。

こちらの利益ダッシュボードは「利益マップ・カテゴリ別利益・利益推移」で構成されており、デモではこれを相手に説明しながら5分程度で作成していきます。

一からこのダッシュボードを作っていくとして、どのように進めていけば良いのでしょうか。

NG例から見ていきましょう。

まず全国的な利益の状況を把握するために「利益マップ」を作成します。そして問題となる都道府県を把握することができたので、次に「カテゴリ別利益」を見ていきたいと思います。ここでテーブルが問題であることが分かりました。では次に「利益推移」でどの時期に利益が落ち込んでいるのかを確認しましょう。

これをストーリーを意識して伝えると以下のようになります。

まず「利益マップ」で利益に地理的な傾向があるかを確認します。特に地理的な傾向はなさそうですが、どうやら静岡県の利益が落ち込んでいることが分かりました。それでは次に利益の落ち込みは「どのカテゴリが原因か」を見ていきます。ただ、売上が小さいと利益の改善幅が小さいので、ここでは売上も同時に見ることにします。するとテーブルだけが大きな赤字を出していることが分かりました。赤字が大きくなっているということは、長い間赤字のまま販売し続けた可能性があります。では一体いつから利益がマイナスになっていたでしょうか。「利益推移」でそれを確認して見ましょう。

NG例ではグラフの結果は読み取れましたが「なぜそのグラフを作ったのか?」を伝えられておらず、聞き手も何を見せられているのかしっくりきません。

このデモを見た相手はきっとこう思うでしょう。

  1. 「全国的な状況を把握するためにマップを作成」→ 棒グラフで良いじゃん!
  2. 「カテゴリ別利益」→ 何で売上の棒グラフになってるの??
  3. 「利益推移」→ 何でカテゴリから推移を見てるんだっけ??

こうなってしまったら最後、相手に聞く耳を持ってもらえず製品の価値を伝えられません。

一方、ストーリーを意識すると「何のためにこの分析をしているのか」を聞き手が納得して聞けるので、デモの内容がすんなりと入ってきます。

  1. 利益マップ → 地理的な傾向を確認するため
  2. 売上と利益を同時に見る → 売上が小さいと利益の改善幅が小さい
  3. 利益推移 → いつから赤字のまま販売していたのか確認するため

相手に刺さるデモを目指す

オーディエンスを意識

先ほどは全国展開する小売店を想定しましたが、もし相手が「町の英会話スクール」であればどうでしょう。

おそらく先ほどのデモは全く相手に刺さりません。

なぜならマッピング(地図)の優位性を見せられても「実務で利用する機会がない」からです。

逆にこちらが教育関連のデータを使えば、相手が共感できるので「製品を使っているイメージ」を持ってもらいやすくなります

さらに英会話の先生が英語圏の方であればどうでしょう。

英語で説明を加えたとしても、日本語データでは理解してももらうのに時間がかかってしまいます。

つまり「データの中身を相手に合わせ、利用シーンを想像してもらう」ことが重要なのです。

相手に合わせるには、相手をまず理解しなければなりません。

相手が経営層ではなく現場の先生であれば、店舗全体の利益ダッシュボードより、各生徒を分析できるダッシュボードを提案すべきでしょう。

また、伝え方一つをとっても経営層であれば「結論」(製品でできること) を重点的に伝え、現場の人であれば「プロセス(製品の使いやすさ) を重点的に伝えることが有効です。

このようにデモでは「オーディエンス(相手)は誰なのか」を意識する必要があります。

①デモの素材は相手に合わせたものを使う
②相手が利用シーンを想像できるような内容にする
③オーディエンスが誰かを意識し、テーマや話し方を変える

余力があれば

ここから先はデモ中に伝えなくても良いのですが、伝えるとさらに勝率が高まること3つお伝えします。

まず1つ目は「競合優位性を示す」です。

デモが実施される背景には「相手が複数の製品で迷っている」という状況があり、そのコンペで自分の製品をアピールしなければいけません。

例えば、自分の製品で当たり前にできることが競合製品ではできなかったりします。

事前にコンペの競合相手が分かっており、かつその製品について知見があるのであれば、自社製品の特徴を強調して伝えると良いでしょう。

次に2つ目は「他のユースケースを口頭で伝える」です。

ストーリーで価値を伝え相手に利用シーンをイメージさせることができたら「時間の都合上ここでは紹介できないのですが、〇〇といったこともできます〜」というように、他のユースケースをそっと添えてあげましょう。

このユースケースを伝えるにも「相手が興味のありそうなことを伝える」ということが重要です。

できれば事前に相手の課題を把握して、それを解決するような機能を紹介すると良いでしょう。

最後に3つ目は「デモ終了後に似た事例を紹介する」です。

ここまで全てのポイントを押さえていれば、相手もかなり納得した状態になります。

最後にトドメの一撃として、デモ終了後に似たような事例を紹介してみましょう。

例えば上記NG例で挙げた利益ダッシュボードでは、これと似た活用事例がないかを事前に調べ、デモ終了後に軽く見せてあげます。

そこで「この製品を使えばビジネス上どんな効果が期待できるか」を相手に共感してもらえるので、勝率をグイッと上げることができるのです。

①競合優位性を示す
②他のユースケースを口頭で伝える
③デモ終了後に似た事例を紹介する

伝える技術

ここまでデモの内容に関するポイントをお伝えしましたが、最後にもう一点だけ重要なポイントがあります。

それは「伝える技術」です。

極論をいうと、あまり優れていない製品でも担当者の伝え方次第で、コンペの勝率を上げることもできます。

そこでまず重要になるのが「言葉の使い方」です。

タイプ 価格 できること
A 高い データ加工, 分析, 閲覧
B 普通 データ分析, 閲覧
C 安い データ閲覧

例えば、製品に上の「A・B・C」というタイプがあると仮定します。

あなたがデモ担当者であるとして「C」について聞かれたときに、どういった言葉で説明するでしょうか。

「C」はデータの閲覧しかできないので「A」「B」に比べて機能は制限されますが、とてもお求めやすい価格帯となっております!
「C」はデータの加工や分析に割く時間はないが、分析されたデータをみて実際にアクションを起こす人を指します。組織の大人数がこのタイプに該当するため、お求めやすい価格でご提供しております。

NG例の方では「A」「B」に比べ性能は劣ってしまうという点が強調されているので「C」の印象が良くないです。

一方、正解例の方では「C」がどういった役割なのかを的確に説明し、さらに低価格帯である理由も自然に伝えられているのでとても良い印象があります。

言葉の使い方をマスターしたら、次に押さえたいのが「話すテンポや間合い」です。

芸人や落語家のように話が上手い人は、リズムや間のとり方も上手い傾向にあります。

これはデモに関しても同じで、例えば「相手の理解度に合わせて話すテンポを変える」「複雑な説明に入るときは聞き手を混乱させないように間合いをとる」などの工夫をすることができます。

テンポや間合いで相手のペースに合わせてあげることで、相手が気持ちよく聞けるのです。

そしてここまで仕上がったら「製品に誇りを持ち、楽しそうに話す」ということを心がけましょう。

この製品が世界で一番優れているんだ!とい意気込みで楽しそうに話せば、その熱はきっと相手にも伝わります。

デモを「製品の魅力を伝えるチャンス!」と捉え、楽しんでプレゼンしたいですね。

①言葉の使い方を工夫する
②話すテンポや間合いを工夫する
③製品に誇りを持ち、楽しそうに話す

あとがき

この内容は私が実際にお仕事をしていて、様々な方からのフィードバックを受け、学んだことです。

私自身まだ全てが実践できているわけではないですが「これから自分で意識して頑張りたいこと」を徒然と書かせていただきました。