SPSSで始めるDunnett検定(対照群との比較)

この記事は約3分で読めます。
sponsored link

Dunnett test(ダネット検定)の原理

Dunnett検定とは、データが正規分布かつ等分散であることを仮定した「対照群を比較する多重比較法」です。

例えば、A〜D群(4群)でDunnett検定を行う場合「A群 vs. B群」「A群 vs. C群」「A群 vs. D群」でそれ検定することを意味します。

Dunnett検定を含む3群以上の多重比較の原理は、検定とほとんど同じです。(分母の標準偏差vに全群のばらつきを考慮するという点で異なります)

$$t=\frac{X_1-X_2}{v\sqrt{\frac{1}{n_1}+\frac{1}{n_2}}}$$

上式において、$X_1-X_2$は標本平均の差、$n_1, n_2$はそれぞれの標本数、$v=\sqrt{\frac{u_1^2+u_2^2+u_3^2}{(n_1-1)+(n_2-1)+(n_3-1)}}$(3群の場合)、$u_1^2=\frac{(x_1-X_1)^2+(x_2-X_2)^2+(x_3-X_3)^2+(x_4-X_4)^2+(x_5-X_5)^2}{n_1-1}$(標本数が5つの場合)を表します。

式はほとんど同じですが、最終的に求めた 値は t 表ではなくDunnett表を用います。一般的な統計ソフトではこれが自動で計算されます。

※ 一般に、多重比較法の前にはOne-way ANOVA(一元配置分散分析)で対照群間の平均が一致するということを棄却する必要がありますが、Dunnett検定ではF検定の考え方を考慮しなくて良いためANOVAを行う必要がありません。

SPSSを用いたDunnett検定の手順

該当ファイルの読み込み

まずは SPSS statics で [ファイル] > [開く] > [データ] より対象ファイルを選択します。

今回使うデータは id (0~4), type (A~E) , score (0~100) の3つの変数で構成されており、このデータセットから id 毎(type毎)の score に有意差があるかを検定していきます。
※ id と type は対応しています。

分析方法の選択

[分析] > [平均の比較] > [一元配置分散分析] をクリックし、scoreを従属変数リスト、idを因子へとセットします。(今回は id 毎の score の平均に有意差があるかを検定します)

Dunnettを指定

先ほどの一元配置分散分析の画面から、[その後の検定] > Dunnettにチェック。

今回の対照カテゴリは「最初」としましたが、これは id=0 を対照群とすることを意味します。そして検定は「両側」を採用しました。基本的に検定方法は両側検定で大丈夫です。

※明らかに結果の増減が予測できる場合にのみ、片側検定を用いることができます。(両側に比べて有意差が出やすいです)

また、[オプション] からいくつかの項目にチェックを入れると、その項目の分析結果が表示されます。今回はチェックなしで大丈夫ですが、他の多重比較では大体 [記述統計量], [等分散の検定], [Welch 検定] などにチェックを入れることが多いです。(主観)

結果の確認

上の画面で設定ができたらOKボタンをクリックすると、以下のような結果が表示されます。

結果の見方ですが、赤枠の有意確立(p 値)が 0.05 を下回っていれば有意差ありということを示しています。今回は「A群とB群(id=0 と id=1)では有意差なし」「A群とC群でも有意差なし」「A群とD群では有意差あり」という結果が得られました。