トラブルシューティング
ブラウザでのサードパーティCookieの要件
・Cookieとはサイトに関するデータをブラウザに一時保管するものを指し、Tableau Serverではサインインした段階で(ファーストパティ)Cookieが発行される。そのため、ユーザーがブラウザでCookieをブロックする設定をしているとサインインすることができない。
・「埋め込みビュー経由 / 信頼できる認証」ではブラウザがサードパーティCookieとして扱うので、これがブロックされる場合、ブラウザ経由でのTableau Serverサインインや埋め込みビューの閲覧ができなくなる。
ユーザー/実行サービスアカウントのパスワードをリセット
・ユーザーのPWは、[サーバーユーザー]ページからのみリセット可能。
・実行サービスアカウントのPWは、tsm configuration set -k service.runas.password -v "<password>"
で設定でき、tsm pending-changes list
で確認した後、tsm pending-changes apply
で適用する。
レポーティング用のログファイルをパッケージ化
・tsm maintenance ziplogs
を使って、すべてのノードからログファイルの圧縮アーカイブを作成する。(パスは \Tableau Server\data\tabsvc\files\log-archives)
・アーカイブを解凍すると各ノードに対するディレクトリが作成され、例えばBackgounderが2つのノードに存在する場合、以下のディレクトリが表示される。
backgrounder_0.<version>.<build>
backgrounder_1.<version>.<build>
・Tableau Serverのexe_で始まる一時ファイルは \Tableau Server\temp に保存されており、削除できる。
tsmでサイトリソース検証
・tsm maintenance validate-resources --site-id <siteID>
でサイトのワークブック/データソースを検証する。
検索インデックスの再構築
・検索の処理速度を上げるために、tsm maintenance reindex-search
で検索インデックスを再構築する。
メンテナンス分析レポート
・Serverイベントを構成することで、コンテンツの更新・サーバーモニタリング・ドライブの空き容量などを通知することができる。
・TSMでは [構成] > [通知] > [イベント]からイベントを指定、CLIでは tsm configuration set -k <config.key> -v <true | false>
を使って設定する。
サポートリクエスト
・WEBのサポートページからキーワードで検索し、該当の解決策がなければ新しくチケットを発行する。
移行とアップグレード
アップグレードプロセス
◆アップグレードの前に
・「ハードウェア」(主ノード:8コア, メモリ32GB, ディスク50GB, 追加ノード:4コア, メモリ16GB), 「ライセンス有効期限」(tsm licenses list
), 「管理者, ADサービスアカウントのPW」を確認。
・証明証, キーなど重要情報をキャプチャ。
・スケジュールされたタスクを無効にし、バックアップ作成。
・テスト環境に、本番と同じverのTableau Serverコピーをインストール。
・既存のDBを復元 (tsm maintenance restore
)し、既存のServer構成を手動でコピー。
※アップグレード前に旧verを削除してはいけない。テスト環境で成功して初めて本番でも実行する。
◆実行手順
1. 新verをインストール
2. upgrade scriptを実行 (初期ノード → 追加ノードの順)
3. アップグレードの成功を確認 (プロセス: tsm status -v
, ユーザーアクセス, 各種設定など)
4. \pakages ディレクトリから旧verのフォルダを削除
5. 完了
クリーン再インストール
・クリーン再インストールの目的は、Tableau Server(のファイル, 設定, 構成など)を完全に削除するため。
・コマンドプロンプトから tableau-server-obliterate スクリプトを実行すればよく、-l
オプションを用いると全てのライセンス認証も解除される。
・実行は各ノードで行う必要があり、バックアップとログファイルは logs-temp にコピーされる。
※スクリプトのパス:\Tableau Server\packages\scripts.<version_code>\
異なるハードウェアに移行する方法
1. ライセンス認証解除 (tsm licenses deactivate --license-key <key>
)
([構成] > [ライセンス発行] > [ライセンス認証の解除]でもできる)
2. 新しいマシンでの設定 (インストール, ライセンス登録, 設定, 構成など)
3. バックアップファイル.tsbakを \Tableau Server\data\tabsvc\files\backups にコピー
4. Tableau Serverを停止 (tsm stop
)
5. 稼働中のデータを復元 (tsm maintenance restore -f <filename>.tsbak
)
6. Tableau Serverを起動 (tsm start
)
7. 追加ノードがあれば、それもインストール
8. 完了
※Tableau Serverのライセンスは「本番環境, ステージング環境, sandbox用」で3回認証できる。
※オフラインでライセンス認証を解除する場合、別途オフライン用のファイルを作成する必要がある。
後方互換性
・旧verのワークブックを最新のTableau Desktopで開くことはできても、その逆はできない。
・新verで作成されたワークブックを、旧verのTableau Serverにパブリッシュすることはできない。(ダウングレードを求められるが、verは最後に編集した環境に依存)
※Desktopから手動でダウングレード:[ファイル] > [バージョン名をつけてエクスポート]