GPAとは
GPA(Grade Point Average)とは「全科目の成績の平均」のことです。
慶應ではこのような評価体系です。
評価 | GPA値 | 合格/不合格 | 学生の声 | 割合 |
S(秀) | 4 | 合格 | すごい!! | 26% |
A(優) | 3 | 合格 | やるやん! | |
B(良) | 2 | 合格 | まぁ普通やな。 | 43% |
C(可) | 1 | 合格 | おおお耐えた.. | 22% |
D(不可) | 0 | 不合格 | 人終乙 | 9% |
※GPAの割合は塾生情報局さんの集計をもとに算出しており、各教科や大学の基準により異なります。
上の表で各分布の中央値をとり、概算するとザックリ「2.35」と見積れます。
つまり慶應ではGPAが「2.35」をこえていれば真ん中より上と考えて良いでしょう。
ちなみに理工学部ではGPAが3を超えると優秀だといわれ、学科主席クラスになると「3.85〜4.00」の人が数人います。
※極希に現れるGPA 0.00~0.05 の猛者達は「コンド○ム界隈」と呼ばれ人々から崇めたてられます。
GPAは何に使われる?
GPAは基本的に悪すぎなければ問題は無いのですが、良いと4つの嬉しいことがあります。
- 希望の留学先に行きやすくなる
- 人気のゼミ (研究室) に入れる
- 就活で有利になる可能性がある
- 奨学金を貰える可能性がある
交換留学
通常のGPAはD(0.0)〜S(4.0)で評価されるのですが、交換留学では計算方法が異なります。
その計算方法は「(5S + 4.5A + 4B + 3C) / (S + A + B + C + D)」で、交換留学ではこの値が「3.3以上」である必要があります。
「(5×6 + 4.5×5 + 4×4 + 3×3) / (6 + 5 + 4 + 3 + 2) = 3.875」となり、無事学内の選考を通過できます。
しかしそこで終わりではなく、今度は出願先の大学が求めるGPAを確認する必要があります。
中には相当ハードルの高い大学もあるので、少しでも留学を考えている人はなるべくGPAを稼ぎたいところです。
※GPAはフィルターの役割なので、選考を通過すればあとはほぼ関係ないといわれています。
ゼミ(研究室)
私の体感ではゼミ (研究室) 専攻で「GPAはほとんど見られない」ことが多いです。
ただ人気が集中し定員オーバーになった場合は、GPAでフィルターをかける, ゼミ (研究室) に関係する科目の成績でフィルターをかける, GPAの中でもA以上の数で決める とも噂されています。
※ちなみに私の学科では、研究室選びでGPAはみられませんでした。
就活
国内の就活であれば「GPAはほとんど関係ない」です。
私の経験からいうと、たまにGPAの提出を求める企業もありますが、エントリーフォームに自分で数値を入力するだけで、成績証明書のようなものを求められたことは一度もありません。
つまり適当なGPAを入力しても確認されることはないので、企業もほとんどみていないのではないかと思われます。同じ大学でも学部によって成績の評価が厳しいところと、緩いところでだいぶ違いますからね。
奨学金
こちらも留学同様、独自の計算が必要となります。
慶應奨学金サイトによると「(5.5S + 4.5A + 4B + 3C) / (S + A + B + C + D)」が、奨学金に用いられる成績指数で、有名な「慶應義塾維持会奨学金」では申し込み条件に「成績指数4.3以上」と書かれています。
※留学の計算式で「5S→5.5S」としただけなので、奨学金の方が「Sの数」が重視されていることが分かりますね。
奨学金の場合、多くの応募が集まるのでGPAで足切りされるケースが多いです。私の周りでも奨学金を希望する人は勉強にかなり力を入れている印象があります。
筆者のGPA
選択科目
選択科目は「自分で自由に選べる科目」です。
100以上の選択肢から自分の興味のある科目を履修することができます。
自分が学びたい科目、好きな教授の科目、バイトの時間帯や生活リズムにあった科目、単位を取りやすいと噂される科目(いわゆる*楽単)など人によって選び方は様々です。
成績が良い学生はここで S や A を量産し全体の GPA を底上げします。
※楽単(ラクタン)は、単位が取りやすいと噂される一方「先生が急に方針を変えてエグ単になることもある」「Cは取りやすいがSは取りにくい」「そもそもの抽選倍率が高い」といった点に注意する必要があります。
私は入学時に数学教師も選択肢の1つとして考えていたので、法学I, 法学II など全く興味のない科目も取得していました。この科目は出席点なしのテスト一発勝負だったので、実際に授業に参加しなくても適当に小論文のようなものを書くだけで乗り切ることができます。(もちろん先生によりますが..)
他にも 健康科学, 西洋建築史, 日本・東洋建築史 を履修していますが、これは楽単の抽選で外れたので惰性で履修したものです。 (出席重視で課題がめんどくさいのでオススメしません)
次に、英語スピーキング, 英語リスニング, 英語リーディング についてみていきます。慶應理工は英語に力を入れていないので自分から選択しなければなりません。そしてこの英語の成績は “英語力” というよりも「どれだけ真面目に課題をこなしたか」で成績が決まります。英語に触れるのが好きな方にはオススメですが、できるだけ課題をやらずに楽して単位を取得したいという方にはオススメできません。
今度は、体育, 科学と社会, 情報社会と情報倫理 についてみていきましょう。まず 体育 に関してですが、大学の体育は「出席点が全て」なので運動能力が高くなくても S を取ることは可能です。そして 〇〇と社会 というような科目は大体おもしろくないのですが、優しい先生が多いので 単位(C) は取りやすい傾向にあります。
※ 発言はすべて個人の偏見と少ない実体験によるものです。
必修科目
必修科目は「学部や学科によって履修が決められている科目」です。
この単位を落としてしまうと留年してしまう可能性が高いので、どんなに怠惰な学生でもサボらずに履修しきる必要があります。
私は理工学部なので、理工学実験, 情報学, 生物, 数学, 物理, 科学 などが必修科目に定められています。また 回路とシステム, 工学数学, 工学実験, 電磁気, 熱流体, 力学的モデリング など学科特有の科目もあります。
数学, 物理に関しては (レベルの高い学生であれば) 高校時の知識で対応することも可能ですが、化学に関しては明らかに高校レベルと難易度が違います。情報学, 生物 は人によってノー勉で乗り切ることもできるかもしれません。
さて、ここで私の成績表を注意深くみてみると「生物学序論, 物理学D が2つ存在する」ということに気がつきます。なぜ同じ科目が2つも存在するかというと、大学1年時にこれらの単位を落としているからです。
実際に単位を落としてから初めて知ったのですが「一度落とすと来年履修しなければならない」「必修科目は2年連続で落とすと留年になる」「来年履修できなくなる科目がある」ので、必修科目は何があっても単位を死守する必要があります。(私は大学2年に留年がかかるまでこれらの事実を把握してませんでした..orz)
② 去年落とした必修科目の単位を回収するために、今年履修できなくなる科目が出てくる
学科選択科目
学科選択科目とは「学科で決められた選択科目」です。
必修科目と選択科目の中間的な位置付けにあたりこちらも進級に関わってきます。選択科目とは名ばかりに、実際選択できる科目数は少ないのが現状です。
私の学科では 回路とシステム, 電磁エネルギー変換工学, 建築行政, 信号処理, メカトロニクス など学科固有のラインナップとなっています。これらは学部2, 3年から履修することになっており、自分の専攻分野と関連性の高いものが多いので、学んでいても面白いのかなと思います。(個人的には データシステム知能化のデザイン, 製品企画論 が好きでした)
最後に 力学的アナリシス について言及します。この科目はかの有名な 小國さん が担当している科目で、出席点はなく期末テスト一発勝負のものです。私がこの科目を学部2年の頃に履修させていただいたのですが、地元の成人式と日程が被ってしまい期末テストを受けることができませんでした。出席点も課題もない科目だったので、もちろん授業には参加していません。ただ蓋を開けてみると C 判定、つまり単位を取得することができたのです。理由は「テストの難易度が高すぎてほとんどの生徒が及第点に達しなかった」からでした。これぞまさに望外の僥倖といえますね。